ダウン症候群関連

ダウン症の人らの生活実態

現在日本ではダウン症の方は約8万人、700人に1人の発症率といわれています。

実際合併症などの健康面は?どういった教育を受けられるのか?仕事など生活面ではどのように対応しているのか?など疑問または不安に感じている方も少なくありません。

以下にダウン症の方の生活実態について詳しくご紹介しますので参考にしていただければと思います。

健康面
①乳幼児期
②学童期
③成人期
教育
①特殊学校
②特殊学級
仕事
まとめ

健康面

ダウン症の方について気を付けなければならない点として合併症があります。以前は平均寿命が20歳前後といわれていましたが、現在は医療技術の発展により合併症などの治療効果が上がったため50歳以上となっておりこれからも寿命が延びる傾向にあるといわれています。

乳幼児期からの早期発見で重症化を防ぐこともできるため、定期検診が必要とされます。どのような症状が見られるか年齢ごとに見ていきましょう。

①乳幼児

内臓

ダウン症の合併症で最も多いのが先天性心疾患(房室中隔欠損など)で約40~50%の人に発症します。その他には肺高血圧や十二指腸閉鎖、食道閉鎖があります。

聴覚

外耳道が狭いため中耳炎になりやすく約40~80%に片耳または両耳の難聴がみられることがありますが、成長とともに改善することも多いです。

視覚

約60%に先天性白内障、屈折異常(乱視・近視・遠視)、眼振、内皮(まつげが眼球にあたる)、外皮(まぶたが外側に反転してめくれあがる)などがみられます。

難聴は言語発達や精神発達、視力の低下は視覚から脳への情報刺激にも大きく影響するため、早期から適切な処置や検診が必要となってきます。

また免疫力が低下するため風邪や肺炎になりやすいといわれていたり、ダウン症の特徴である筋力の低下により腹圧がかかりにくく慢性的な便秘になったり、舌の筋力も低下するため言語発達の遅れがみられます。

②学童期

循環器

大食、偏食から肥満傾向になりやすいといわれており、そのため糖尿病や高尿酸血症などに移行する可能性が高くなります。

発達

個人差が大きいですが、運動能力、知能指数、社会性などは比較的ゆっくりといわれていますが適切な学校で支援をうけることで能力を引き出すことが可能です。

③成人

内科

摂取水分量が少ないことや小児期から尿酸値が高く成人してから痛風になることがあります。また甲状腺機能の異常がみられ、機能低下では徐脈、便秘、異常な体重増加、むくみ、乾燥肌 機能亢進では頻脈、眼球突出、体重減少、下痢などがあります。

精神面

急激に社会的適応能力が低下し、今までできていたことが急にできなくなったり表情が乏しくなったりとうつ症状や適応障害がみられることがあります。原因は十分には解明されていませんが、社会に出て急に環境が変わったり、ダウン症の人はこだわりが強く頑固なため周りの理解が得られずストレスのためといわれています。

教育

教育を受けるにあたり、学童期には①特別支援学校と②特別支援学級の選択肢があります。それぞれ

①特別支援学校

これまでの聾(ろう)学校・盲学校・養護学校が統合されたもので、視覚・聴覚・知的障害または肢体不自由者に対して学習上または生活上の困難を克服するために必要な教育を行い、自立して社会に参加できるための生きる力を培うことを目的としています。

学習面では普通学校の小学校から高等学校と同じように算数や国語、音楽や美術などの教科を受けられ、障害を克服したり能力を伸ばしたりのできるようなそれぞれの特性にあった工夫がされた教育を受けることができ、高等学校では農業や理学療法・クリーニングなど特性にあった専門の教科が受けられます。

また生活面では言語表現力や行動のコントロール・対人関係や状況対応力といったことも受けることができます。

②特別支援学級

小学校から中学校に、知的障害や肢体不自由者など教育上特別な支援を必要とする児童・生徒のために置かれた学級のことです。以前は特殊学級とよばれていました。障害が重い場合は原則として特別支援学校に通っていましたが2013年に制度が改正され、通学先を決めることができるようになりました。

またダウン症の方がすべて知的障害というわけではなく、幼いころから体質に合った学習を取り組むことで改善する方もいます。普通学校に入学し、高校卒業後に大学や短大、専門学校への進学または大学院を目指す人もいます。実施している大学はまだ少ないですが、障害のある方たちのためのオープンカレッジを設立する大学も出始めたり、制度上は大学ではありませんが障害のある方のためのカレッジを設立する動きとなっています。

仕事

厚生労働省の基準により重度の知的障害がある場合でも働くことができます。

産業別にみると、

1位 製造業 25.9%%

2位 卸売り、小売業 23.7%

3位 医療、福祉 21.9%

4位 サービス業 10.6%

(厚生労働省 平成30年度障害者の職業紹介状況等)

となっており、ダウン症の人はコツコツ行う作業が得意な人が多いため事務作業に就く方が多いとみられます。

また一般企業に務めるだけではなく、努力と訓練から才能が開花し、リズムや音楽・ダンスなど音楽家や芸術、スポーツなど様々な分野で活躍する方もいらっしゃいます。

また平均賃金は1か月あたり約11万7千円で、雇用状況ですが無期契約の正社員が18.4%、有期契約の正社員が1.4%、無期契約の正社員以外が40.9%、有期契約の正社員以外が39.1%となっています。

そして働くことをサポートする制度に「就労移行支援」と「就労継続支援」があります。

①就労移行支援

一般企業への就職を目指すために必要なスキルなどを習得するためのサービスです。雇用契約がなく賃金は支払われませんが、職業スキルだけではなくコミュニケーションや働き続けるのに必要な知識や研修を職場実習で受けることができ、ハローワークや厚生労働省の許可を得た事業所の中から適した職場をみつけて調整してくれるサポートです。パソコンやビジネスマナー、履歴書の書き方なども習うことができ、個人にあった能力開発訓練を受けられます。65歳未満の身体障害、知的障害、精神疾患、難病のある方が対象で原則2年間受けることができます。

②就労継続支援

一般企業への就職が困難な方へ働く機会を提供するサービスです。就労移行支援はスキルを磨く場、就労継続支援は働く場という違いがあり、A型・B型の2種類があります。

A型

雇用契約に基づいた勤務が可能である人が対象となります。給料をもらいながら同時に一般企業へ就職するための知識や能力を身に付けていくことができます。

B型

A型の仕事の内容が困難な人が対象となります。作業訓練などで生産活動を行い、出来たものに対して賃金が支払われます。訓練を積んで就労継続支援A型、就労移行支援を目指します。

就労定着支援

2018年4月から始まった制度で、障害のある方が長く就労できるためにサポートしてくれる制度です。同僚・上司とのコミュニケーション、体調管理、金銭管理など今までの生活ではなかった悩みについて対面で話し、問題解決や働きやすい環境を目指すためのアドバイスを受けられます。

しかし始まったばかりのサービスのため普及していない事業所も多く、どの自治体・事業所で受けられるか直接問い合わせる必要があります。

まとめ

国としては差別のない社会にするために同じ場でそれぞれの子供たちが授業内容を理解し、充実した時間を過ごし生きる力を身に付ける ということを目的に取り組んでいますが、何かあったときの対処法などがおいついておらず不十分なのが現状です。1日でも早く差別、偏見のない暮らしやすい社会になることを願うばかりです。

また発達には大きな個人差があります。他の人が合うから自分もということはなく、見学や体験するなど実際に目にして相性の合う適切な施設を選択されることをお勧めします。

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