NIPT対応クリニック

ダウン症(21トリソミー)と母体年齢の関係とは?

ダウン症(21トリソミー)と母親の年齢が気になる…NIPTを受けるには

生まれてくる我が子がダウン症候群をはじめとした染色体異常かどうか気になる、不安が大きいという方が受けられるのが、NIPT(新型出生前診断)です。NIPTは認可施設・無認可施設にて受けることができますが、認定施設ではNIPTを受ける基準として、妊婦さんの年齢が35歳以上という条件が挙げられています。

妊婦さんの年齢によってダウン症の赤ちゃんが生まれる可能性は大きく変わっていきますが、どのような関係があるのでしょうか。

ダウン症について知ろう

ダウン症候群(21トリソミー)とは

ダウン症、ダウン症候群とは、21番目の染色体が2本ではなく3本多くあるために「21トリソミー」とも呼ばれる疾患を指します。この染色体異常が起こる原因のほとんどが母親由来であることがわかっており、母親の年齢が上がるにつれてダウン症が起こるリスクが増えることも知られています。

ダウン症で起こる症状とは

ダウン症には見た目における共通点があり、目が吊り上がっていたり、起伏の少ない顔だったり、小さめの耳であることなどが挙げられるほか、筋肉の緊張が低いため体が柔らかいという特徴があったり、心臓の疾患や消化器系の疾患をはじめとするさまざまな合併症が起こりやすくなります。

  • 特徴的な見た目(目が吊り上がる・耳が小さいなど)
  • 知的障害
  • 小頭症
  • 低身長
  • 難聴
  • 乱視や遠視
  • 心奇形
  • 甲状腺機能低下症などの合併症

心疾患は無症状であることも多い一方、先天的な心奇形が起こることも少なくありません。程度によって違いますが、呼吸がうまくできないことやミルク・母乳をうまく飲めないこと、体重が増えにくいなどの症状がみられます。

成長とともにさまざまな病気を引き起こす可能性がありますが、ダウン症だからといってすべての方が合併症を発症するわけではなく、大半の方が成人します。平均寿命も伸びつつあり、70代・80代まで過ごす方も少なくありません。

ダウン症イコール命の危険があるというわけではなく、奇形や以上には手術で対応できるものも多いほか、教育についても早期に対応を行うことで能力を高められると言われています。

ダウン症とNIPTについて

ダウン症になる確率と母体年齢

おなかの中の赤ちゃんがダウン症になる可能性ですが、 生まれてきた赤ちゃん全体の発生率は約700分の1です。しかし、妊婦さんの年齢が上がるごとにそのリスクは増えていき、特に35歳を超えるとその発生割合は300分の1を切ってしまいます。

分娩時の年齢確率
20歳1/1177
25歳1/1040
30歳1/700
31歳1/613
32歳1/526
33歳1/442
34歳1/365
35歳1/297
36歳1/236
37歳1/186
38歳1/145
39歳1/112
40歳1/86
41歳1/66
42歳1/50
43歳1/38
44歳1/28
45歳1/21

このように、35歳を過ぎたあたりから急激に発症率が高くなることがわかっています。

ダウン症の可能性は誰にでもある

ダウン症は染色体異常のため、おなかの中で胎児が大きくなるにつれて発症するものではありません。そのため、事前にダウン症にならないように予防することはできません。

しかし、赤ちゃんが生まれてくる前にダウン症かどうかを知ることは可能です。NIPTを受けることによって、出産前にダウン症(21トリソミー)をはじめ、複数の染色体異常を知ることができます。

NIPTは羊水検査と違い、採血のみで検査ができて非常に安全ですが、結果が確定的ではない「非確定的検査」です。陽性と判断されれば、本当に陽性(病気かどうか)をはっきりさせるために次なる検査を受ける必要があり、陰性と判断されれば99.9%の確率で陰性(その病気ではない)になります。

また、これから生まれてくる我が子がダウン症であるかどうかを事前に知ることによってさまざまなメリットがある一方、決して軽視できないデメリットも存在しています。

NIPTを受ける目的「心の準備」

ダウン症をはじめとする赤ちゃんの染色体異常は、NIPTによって把握できます。これは、命の選別を行うのが目的ではなく、赤ちゃんのことを知り、両親がゆっくりと受け入れていく準備を行うための検査です。

ただ、出産の高齢化によって子どもが大きくなったときのことを考え、サポートをしていくことが難しいと、泣く泣く別れを決断することも少なくありません。

さらに、NIPTによってダウン症かどうかを知ることができても、その後は非常に短い時間で決断を下す必要があります。NIPTは妊娠10週から18週の間で受けることができますが、人工妊娠中絶を行う場合は妊娠22週未満です。

また、NIPT検査の結果が出るまでには1~2週間ほどかかり、長くなれば3週間ほど時間を要することもあるため、さらに決断する時間が短くなる可能性も考えられます。

NIPTは母体への負担が非常に小さく、羊水検査に比べ簡単に受けられるというメリットのある検査である一方、このように妊婦さんへの心理的な負担が大きくなるというデメリットも知っておかなくてはなりません。

そのためにも、NIPTを受けることを検討している方は認可施設にて検査を受けること、そして適切なカウンセリングを受けることが勧められています。

NIPT検査への正しい認識を持とう

自身の年齢によってダウン症の赤ちゃんが生まれる可能性が高まると知り、妊娠初期から精神的な負担が大きくなる方も少なくありません。

ただ、NIPTはそのような負担を軽減したり安心したりするために受けるのではなく、両親が話し合って赤ちゃんをどのように迎え入れるのか、サポートや病院との連携を行うための準備として行います。

ダウン症の赤ちゃんが生まれる確率は母体年齢とともに上がることはわかっていますが、たとえ若く出産をしてもその可能性は決してゼロにはなりません。どのような年齢で出産をしても、ダウン症をはじめとする染色体異常が起こる可能性があることから、まず妊娠・出産・育児について両親がともに認識をすり合わせ、向き合っていく必要があります。

たとえ障害があっても我が子には変わりありません。NIPTを受けて、その結果によってどのようにしていくのかという考えを共有するのはもちろん、NIPTを受ける前にも、妊娠前にもぜひ考え方を共有しましょう。

また、カウンセリング等のサポートがなく、採血による検査のみを受けられるNIPTの無認可施設も全国に多くあります。認可施設が全国にじゅうぶんにないことから、無認可施設を利用する方も少なくありません。

ただ、そのメリット・デメリットを考慮した上で検査を受けなくてはならないことも、認識しておきましょう。

NIPT検査はただ単にダウン症などの染色体異常を明らかにするための検査ではないこと、どのような結果が出ても両親がともに向き合って決断を行うこと、そしてNIPTへの正しい認識を持ち、後悔しないように検査を受けるようにしましょう。

参考文献

  • LabCorp
    http://www.labcorp.co.jp/general/quattro01-faq.html
  • 国立研究開発法人 国立成育医療センター
    https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/006.html
  • MSDマニュアルプロフェッショナル版https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/19-%E5%B0%8F%E5%85%90%E7%A7%91/%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93%E7%95%B0%E5%B8%B8%E3%81%A8%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E7%95%B0%E5%B8%B8/%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%EF%BC%8821%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%BD%E3%83%9F%E3%83%BC%EF%BC%89
  • 出生前診断についてキチンと知っていますか?
    https://www.huhs.ac.jp/studygroup/kazoku/prenatal%20testing%20leaflet.pdf
  • 日本産婦人科学会
    https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/ninsinshusanqa6/
  • NIPTコンソーシアム
    http://www.nipt.jp/botai_02.html

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